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高血圧症

高血圧は、喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧があります。日本人の大部分は、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。

高血圧の診断基準は、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。

二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こす場合をいいます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。

 

高血圧症の合併症

高血圧はサイレントキラーといわれるように、ほとんどの方で自覚症状がありません。長い時間をかけて進行し、血管や臓器を障害します。その結果、動脈硬化を原因とした心臓病や脳卒中などの合併症の引き金となります。何らかの自覚症状が出てきたということは、すでにこれらの合併症を発症しています。

心臓 :狭心症や心筋梗塞、心不全
  脳  : 脳梗塞、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や認知症
腎臓 :慢性腎臓病
になりやすくなるので注意しましょう。

高血圧は自覚症状を伴わない為、臓器障害に至ってから治療を開始しても既に遅いということもあるので、健診など日々の注意が重要になります。

高血圧の治療

高血圧症の予防/治療に欠かせないのは、食塩摂取量の制限です。

食塩摂取の目標は、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満、高血圧と診断された方は6g未満にすることをおすすめします。
日本人の食生活は食塩が多くなりやすい特徴があります。全体的に薄味にし、かけしょうゆ、かけソースなどの習慣がある人は、つけしょうゆ、つけソースに改めるだけでも食塩摂取量が少なくなります。また、漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで6g近い食塩をとってしまいます。

減塩に有効な例:「減塩のコツ」

1. 漬け物は控える

自家製浅漬けにして、

少量に

2. 麺類の汁は残す

全部残せば2~3 g減

塩できる

3. 新鮮な食材を

 用いる

食材の持ち味で薄味の

調理

4. 具だくさんの

 そ汁にする

同じ味付けでも減塩で

きる

5. むやみに調味料

 を使わない

味付けを確かめて使う

6. 醤油以外の調味

 料をつかう

酢・ケチャップ・マヨ

ネーズ・ドレッシング

を上手に利用する

7. 香辛料、香味野菜

果物の 酸味を利用する

こしょう・七味・しょ

うが・かんきつ類の酸

味を組み合わせる

8. 外食や加工食品を

 控える

目に見えない食塩が多

く含まれている。

塩干物にも注意する

また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に、肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧の割合が増えています。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなります。やがて脂質や血糖、尿酸、肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行しやすくなるので、進行しないうちに減量を始めることが大切です。
そのほかに、高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒冷、ストレスなどがあります。

高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、非常に重要です。食事・運動療法を基本としつつ、それでも改善に至らない高血圧を放置すると命にかかわる病気を発症するリスクが高いので、薬物治療について相談が必要となります。現在は、様々な種類の降圧剤があります。それぞれの降圧薬は作用機序が異なっており、それによる副作用も存在することから、患者さん一人一人の病態に合わせてどの薬を使用するか決めていきます。

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